胸骨吊り上げ法(城戸)

胸骨拳上式内視鏡下手術

胸骨を切らずに内鏡視下に手術をする方法です。従来は前縦隔腫瘍(重症筋無力症の胸腺切除も含む)の場合、胸部の前正中にあります横5 cm、縦 30 cm、厚さ1.5 cmの胸骨を大きく縦にのこぎりで切り開いて手術をしていました。われわれの方法は、胸骨の下方の皮膚に3 cm程の小切開を加え、ここから特殊な器具を胸骨の直下に滑り込ませ、それに接続した吊り上げ器械で胸骨を上方へ吊り上げ、生じました空間にカメラ、手術器具を挿入して目的とする手術を施行する方法です。手術手技の概略をイラストで示します。

胸骨つり上げ式の胸腔鏡下手術

この手術法は傷が小さいため、術後の傷の痛みが少なく、ほとんどの患者さんが5日ぐらいで退院できます。特に、女性は傷跡が小さく、またブラジャーなどの下着に隠れるため大変満足されております。傷跡の大きさは、従来の手術法で行いました傷とこの方法で行いました傷とを比較していただくとおわかりになるかと思います。

従来の手術法

胸骨拳上式内視鏡下手術法

この手術の適応となります疾患は、前縦隔腫瘍(早期の胸腺腫、奇形腫、胸腺嚢胞、気管支嚢胞、縦隔内副甲状腺腫など)と重症筋無力症です。進行した悪性縦隔腫瘍には現在のところ適応できません。1997年5月からこの手術法を施行していますが、2017年2月現在までに335例の患者さんに行いました。このうち出血のために6人, 腫瘍が大きすぎるために6人の計12人の患者さんが血管にまつわる問題のためこの手術法ではできず、従来の胸骨切開による開胸術へ移行されました。

【胸骨吊り上げ法(城戸)】

プロフィール

1951年生まれ。
1977年 北里大学医学部医学科卒業、
同年大阪大学第一外科医員。
大手前病院、奈良県立医科大学、大阪医療刑務所病院法務技官、国立呉病院、大阪府立病院、大阪警察病院呼吸器外科部長、大阪警察病院呼吸器外科客員部長、聖授会OCAT予防医療センター所長を経て現職。
1997年世界で初めて胸骨をつり上げた胸腺の内視鏡下手術を開発。
1999年内視鏡下手術の安全性をより高めるために、ハンドアシストを併用した胸腔鏡下手術法を発表。
重症筋無力症や縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術の第一人者。
日本呼吸器外科学会終身指導医・特別会員、日本外科学会認定医、日本胸部外科学会終身指導医、日本小切開・鏡視外科学会設立理事、日本医師会認定産業医。

手術・医療相談

全国の医療施設で診断されました肺腫瘍や胸腺腫瘍の患者さんの画像再診断や今後の手術(内視鏡下手術)のご相談を行っています。すでに確定診断されました重症筋無力症患者さんの内視鏡下手術治療法のご相談も行っています。画像再診断や手術法のご相談を承っています。

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