教育講演

教育講演(第29回日本小切開・鏡視外科学会)

第29回日本小切開・鏡視外科学会(2016年6月10日~11日、横浜で開催)の教育講演で発表しましたタイトル”内視鏡下胸腺切除術の変遷と安全な手術手技の確立”の内容を発表スライド順に解説します。

内視鏡下胸腺切除術の変遷と安全な手術手技の確立

講演内容

胸骨吊り上げ併用内視鏡下胸腺切除術(本法)を施行し20年が経過した。安全な手術への移行は本法のインシデントの検証と反省によって成されてきた。1997年本法を重症筋無力症(MG)の拡大胸腺摘出に用いた。仰臥位で頸部と胸骨下に3cmの皮膚切開を加え、頸部から直視で胸腺上極を剥離、胸骨下の縦隔アプローチ単孔法で施行した。2000年胸腺腫にも適応し胸腔鏡下手術(VATS)を基本術型としMG合併例は本法を併用した。胸腺腫瘍の右VATS時に左無名静脈を損傷、胸骨縦切開で止血。大腿静脈からの急速輸血でショックより回復。2001年小児MG 2例で右反回神経不全麻痺を経験し頸部切開を加えない胸骨下完全内視鏡下単孔法へ移行。胸腺腫の右VATSで腫瘍剥離を先行し左無名静脈を損傷、胸骨縦切開で止血。胸腺腫瘍手術時は左無名静脈周囲剥離を先行。胸腺腫右VATS時超音波メスのcavitationで胸腺静脈を損傷したため超音波メスから新デバイスへ変更。成人MGで左横隔神経を損傷、術後に軽度の労作時呼吸苦が残存。成人MGで右横隔神経を損傷、胸摘後VATSで右横隔膜縫縮術を追加。術後労作時の呼吸苦はない。経年の偶発症を経験し現在の安全装備と術式に至っている。最近の胸腺腫VATS手術海外死亡例をご遺族の承諾を得て報告する。安全を最重要視、担保することが手術目的の根源である。

【学会発表】

1. 概要

【学会発表】

2. はじめに

【学会発表】

3. 頸部切開併用法~単孔法

【学会発表】

プロフィール

1951年生まれ。
1977年 北里大学医学部医学科卒業、
同年大阪大学第一外科医員。
大手前病院、奈良県立医科大学、大阪医療刑務所病院法務技官、国立呉病院、大阪府立病院、大阪警察病院呼吸器外科部長、大阪警察病院呼吸器外科客員部長、聖授会OCAT予防医療センター所長を経て現職。
1997年世界で初めて胸骨をつり上げた胸腺の内視鏡下手術を開発。
1999年内視鏡下手術の安全性をより高めるために、ハンドアシストを併用した胸腔鏡下手術法を発表。
重症筋無力症や縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術の第一人者。
日本呼吸器外科学会終身指導医・特別会員、日本外科学会認定医、日本胸部外科学会終身指導医、日本小切開・鏡視外科学会設立理事、日本医師会認定産業医。

手術・医療相談

全国の医療施設で診断されました肺腫瘍や胸腺腫瘍の患者さんの画像再診断や今後の手術(内視鏡下手術)のご相談を行っています。すでに確定診断されました重症筋無力症患者さんの内視鏡下手術治療法のご相談も行っています。画像再診断や手術法のご相談を承っています。

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