15. 胸腺腫に対する内視鏡下手術
胸腺腫に対する内視鏡下手術は非浸潤性胸腺腫を適応とし、重症筋無力症(MG)合併もしくは抗アセチルコリンリセプター抗体値(抗Ach-R)が陽性の場合は、胸骨吊り上げ法併用胸骨下アプローチによる拡大胸腺摘出術を基本術型とします。MG非合併かつ抗Ach-Rが陰性の場合は、皮下鋼線胸骨吊り上げ法併用一側胸腔アプローチによる胸腺亜全摘術を基本術型とします。
【教育講演】
胸腺腫に対する内視鏡下手術は非浸潤性胸腺腫を適応とし、重症筋無力症(MG)合併もしくは抗アセチルコリンリセプター抗体値(抗Ach-R)が陽性の場合は、胸骨吊り上げ法併用胸骨下アプローチによる拡大胸腺摘出術を基本術型とします。MG非合併かつ抗Ach-Rが陰性の場合は、皮下鋼線胸骨吊り上げ法併用一側胸腔アプローチによる胸腺亜全摘術を基本術型とします。
MG非合併胸腺腫の手術の様子(動画)。
症例は43歳、男性。胸腺腫は最大径2.5cmで正岡II期、WHO分類はtype AB。
右胸腔アプローチによる内視鏡下手術です。
MG合併胸腺腫の手術の様子(動画)。
症例は62歳、女性。胸腺腫は最大径1.5cmで正岡II期、WHO分類はtype AB。
胸骨下アプローチによる内視鏡下手術です。
腫瘍径の大きい胸腺腫に対する内視鏡下手術では、MG合併もしくは抗Ach-Rが陽性の場合は胸腺静脈処理先行の拡大胸腺摘出術を行います。
胸腔鏡下アプローチによる左腕頭静脈レベルでの胸腺切断とともに胸腺腫切除・胸腺亜全摘術を行い、次に胸骨吊り上げ法併用胸骨下アプローチによる残存胸腺切除などの拡大胸腺摘出術を行います。多方向アプローチと胸腺分割切除が必要となります。
一方、MG非合併かつ抗Ach-Rが陰性の場合は一側胸腔アプローチの胸腺静脈処理先行の胸腺腫切除・胸腺亜全摘術を行います。